ぬりえプリントの使い方|取り組み方と安全チェック【OT監修】

ぬりえは、病院や介護施設、デイサービス、ご家庭など、さまざまな場面で取り入れやすい活動のひとつです。

一方で、同じぬりえでも、線の細かさや塗る範囲、使用する道具などによって取り組みやすさは変わります。

このページでは、ぬりえプリントを使うときの準備や教材の選び方、取り組み方、安全面で確認したいポイントを、作業療法士の視点から紹介します。

取り組む方の体調や好み、見え方、手の使いやすさなどに合わせて、無理のない範囲でご活用ください。


ぬりえを始める前に確認したいこと

ぬりえを始める前に、取り組む方が無理なく活動できる環境か確認しましょう。

特に、姿勢・明るさ・体調・教材の見やすさ・道具の使いやすさなどは、人によって適した状態が異なります。

「この方法でなければならない」と決めるのではなく、その方の様子を見ながら調整することが大切です。

厚労省の高年齢者向け指針でも、視力や明暗への対応力などを踏まえた照度確保、無理のない作業姿勢などの考え方が示されています。

参考:厚生労働省「「高年齢者の労働災害防止のための指針」について (公示)
参考:厚生労働省「「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」の策定について

※ただし、これは労働安全衛生上の指針であって、ぬりえ専用の基準ではありません。


ぬりえプリントの使い方

① 取り組みやすい教材を選ぶ

線が太く塗る部分が大きいものから、細かな模様が多いものまで、ぬりえにはさまざまなデザインがあります。

細かな部分が塗りにくい場合はシンプルなデザインを選ぶなど、取り組む方に合わせて選んでください。

② 使いやすい道具を選ぶ

色鉛筆やクレヨンなど、本人が使いやすい道具を選びます。

握りにくさがある場合は、太めの筆記具を試したり、必要に応じてグリップを使用したりする方法もあります。

特定の道具に限定せず、実際に使ったときの様子から選びましょう。


③ 見やすい環境を整える

手元やプリントが見えにくくならないよう、十分な明るさを確保します。

照明の反射や手元の影などで見えにくい場合は、用紙や照明の位置を調整してください。

必要に応じて眼鏡など、普段使用している視覚補助具も確認します。

厚労省も、高齢者では見やすさに必要な照度などが年齢によって大きく異なり、作業者に合わせた調整が望ましいとしています。

参考:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて


④ 無理のない姿勢で取り組む

椅子や机の高さ、用紙の位置などを確認し、無理のない姿勢で取り組めるよう調整します。

足元が不安定な場合や身体が傾きやすい場合は、必要に応じて椅子や机の位置を見直してください。


⑤ 疲れたら休憩する

疲れや痛み、目の疲れなどがみられた場合は、いったん休憩しましょう。

一度で完成させる必要はありません。数回に分けて取り組む方法もあります。

体調不良や普段と異なる症状がみられる場合は活動を中止し、必要に応じて医療・介護の専門職などへ相談してください。

参考:厚生労働省「高年齢者の労働災害防止のための指針


会話を楽しみながら取り組む

季節や花、行事などのぬりえは、会話のきっかけとしても活用できます。

「この花を見たことはありますか?」
「どんな色が好きですか?」
「この季節には何をしていましたか?」

など、相手の様子に合わせて自然に話題を広げてみてください。

会話をしたくない様子がある場合は無理に質問せず、ぬりえそのものを楽しめるよう見守りましょう。


完成した作品の楽しみ方

完成した作品は、本人の希望に応じて飾ったり、ファイルに保管したりして楽しむこともできます。

病院や介護施設などで掲示する場合は、本人の希望や施設のルール、個人情報の取り扱いなどを確認してください。

作品について話すときは、上手・下手だけで評価せず、選んだ色や取り組んだ過程などにも目を向けてみましょう。


ぬりえを始める前の安全チェック

確認することチェックの目安
体調普段と大きく変わった様子がない
姿勢無理な姿勢になっていない
明るさプリントや手元が見やすい
教材線や絵柄が見やすく、取り組みにくすぎない
道具握りやすく、安全に扱える
疲労疲れや痛みを我慢して続けていない
周囲机の上や足元に活動を妨げるものがない

よくある質問

色鉛筆とクレヨンは、どちらを使えばよいですか?

どちらでも構いません。

握りやすさや力の入れやすさ、好みなどは人によって異なります。実際に使いやすいものを選んでください。握りにくい場合は、太めの筆記具やグリップを試す方法もあります。

印刷はカラーとモノクロのどちらがよいですか?

ぬりえの線画は、基本的にモノクロ印刷で利用できます。

見本画像を参考にする場合などは、必要に応じてカラー表示・印刷をご活用ください。

途中で疲れたり、集中が続かなかったりする場合は?

無理に完成させる必要はありません。

一度休憩したり、塗る範囲を少なくしたり、別の日に続きを行ったりする方法があります。取り組む方の体調や様子に合わせて調整してください。


利用上の注意

このページで紹介している内容は、ぬりえプリントを利用するときの一般的な参考情報です。

取り組みやすい環境や方法は、年齢、体調、身体機能、生活環境などによって異なります。取り組む方の状態に合わせて無理のない範囲でご活用ください。

本教材および本ページの内容は、特定の症状の改善や病気の予防・治療などの効果を保証するものではありません。

医療・介護上の個別の判断が必要な場合は、担当の医療・介護専門職などにご相談ください。

教材の利用範囲などについては「利用規約」をご確認ください。