1. はじめに
「高齢の家族が退屈そう」「認知機能が気になるけど、何か手軽にできることはないか…」そんな声をきっかけに、塗り絵を始める方が増えています。塗り絵にはリラックス効果や集中力アップなど、さまざまなメリットが期待されるといわれていますが、実際にどのような変化があったのか気になるところですよね。
本記事では、高齢者の体験談を交えながら、塗り絵を続けたことで感じた変化や工夫したポイントをまとめました。読み終えたころには、「自分もやってみようかな」「家族にすすめてみよう」というヒントがきっと得られるはずです。
免責事項
当記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスを行うものではありません。認知機能や健康状態に不安がある場合は、必ず医師・専門家へご相談ください。
2. 体験談:高齢者Aさんの場合
2-1. きっかけは「テレビ漬けの毎日」に対する不安
Aさん(70歳代・女性)は、日中のほとんどをテレビを見ながら過ごしていました。外出の機会も減り、**「このままでは頭や体が鈍りそう」**と感じていたのだとか。家族が「塗り絵はどう?」と提案してくれたのが始めるきっかけだったそうです。
Aさんの一言
「最初は“子どもがやるもの”という先入観があったけど、実際にやってみると意外と奥深くてビックリしたわね。」
2-2. 最初の1週間で感じた変化
- テレビを見る時間が自然と減った
- 塗り絵を始めると、1日30分~1時間程度は集中する時間が生まれ、テレビを“なんとなく”見ている時間が減少。
- 達成感を味わいやすい
- 小さな花一輪でも、色選びや塗り方を工夫すると「自分にもこんなにきれいに塗れるんだ」という充実感が得られる。
Aさんの一言
「塗り終えると“作品”って感じがして達成感があるの。不思議なもんだね。」
2-3. 継続のコツ:自分のペースを大事に
- 無理をしない
- Aさんは、一度に長時間やると疲れやすいと感じたため、1日15分ずつなど短い時間に区切って取り組むようにしているとのこと。
- 好きなモチーフを選ぶ
- 「動物が大好きなので、犬や猫の塗り絵は特に楽しい。気分もアガる」との声。
- 家族が印刷してくれた無料の塗り絵PDFを活用しながら、新しいモチーフにも挑戦しているという。
3. 体験談:施設入居中の高齢者Bさんの場合
3-1. きっかけは「夜の不眠」
施設入居中のBさん(80歳代・女性)が塗り絵を始めたきっかけは、夜寝れないことが増えたことです。「過去の嫌な出来事を思い出したり、将来に対しての不安を考えることが多い」と眠れないことへのストレスが増えていました。寝ようとすると嫌なことを考えることが余計に増え、気分転換に塗り絵を試してみることにしたようです。
Bさんの一言
「数独とか計算ドリルもやってみたけど、ちょっと堅苦しい感じがしてね。塗り絵なら肩ひじ張らずに取り組めそうだったんだ。」
3-2. 1か月後の変化
- 嫌なことを考える時間が減った
- 以前は布団の中に入ると嫌なことを考え、眠れない日が続いていたが、塗り絵を続けているうちに嫌なことを考える時間が増え、眠るまでの時間が早くなった。
- コミュニケーションが増えた
- 施設の職員に「どんな色がいいかな?」と相談したり、友人(他の入居者)に作品を見てもらい「Bさん色塗るのが上手」と褒めてもらう機会が増えたようです。以前より人との会話が増え、孤立感が減ったそうです。
Bさんの一言
「綺麗に色を塗ることが出来るとみんなに褒められたりしてね。褒められると嬉しいよ。」
4. 体験談から見る塗り絵のメリット
4-1. 気軽に始められる“脳の刺激”
- 手先を動かす
- 細かい部分に色を塗る行為は、自然と指先や目を使うため、日常的な脳の刺激につながるといわれています。
- リラックス効果
- 模様や図案をひたすら埋める作業には、没頭する楽しさがあり、ストレス解消になる可能性も。
注意
認知症予防や健康効果を完全に保証するわけではありません。あくまで補助的な取り組みと考え、必要があれば専門家へ相談しましょう。
4-2. 心の張り合いにつながりやすい
- 作品ができあがる達成感
- 途中経過がわかりやすく、完成時の満足度が高い。
- 家族や友人との会話のきっかけ
- 「塗り方」を相談したり、出来上がった作品を見せ合ったりすると話題が増える。
5. 塗り絵を続けるヒント
- モチーフを選ぶ
- 花、動物、風景など、自分が興味を持てるテーマなら続きやすい。
- 短時間でも毎日取り組む
- 1日15分、好きな音楽を聴きながらでもOK。習慣化しやすい時間帯を決めると◎。
- 疲れにくい道具を用意
- 色鉛筆やクレヨンなど、握りやすい太さや材質を選ぶ。
- 下敷きを敷いたり、テーブルや椅子の高さを調整するなど、体が痛くならない姿勢を意識。
- 飾る・共有する楽しみ
- できあがった作品を壁に貼ったり、家族や友人に見せて感想をもらうとモチベーションUP。
6. まとめ:塗り絵で得られる“小さな変化”を大切に
体験談からもわかるように、塗り絵を続けることで**「ちょっとした生活の変化」**が生まれやすいと感じる方が多いようです。テレビ漬けの時間が減ったり、家族や友人との会話が増えたりと、始める前には想像できなかったメリットを実感するケースもあるかもしれません。
ただし、塗り絵はあくまでリラックスやちょっとした脳活をサポートする一手段。身体やメンタル面に不安がある場合や、認知症に関する悩みを抱えている場合は、必ず専門医などへ相談することをおすすめします。
一歩踏み出すきっかけに
- 「何かに打ち込みたい」「気軽な趣味を見つけたい」と思ったら、まずは好きな絵柄を印刷して数分だけでも塗ってみてはいかがでしょうか。
- 日々の暮らしに小さな彩りと達成感をもたらす塗り絵が、あなたやご家族の日常をほんの少し明るくしてくれるかもしれません。
免責事項
当記事の体験談は架空の事例も含みます。医学的な検証や効果を保証するものではありません。ご自身やご家族の体調・認知機能が気になる場合は、専門医やケアマネージャーなどへ早めに相談してください。
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